2021年8月

夏の里山 命輝かせて

 植物たちがエネルギーを傾ける夏。休耕田を利用して植えられたハス。ピンクの花が空に向かうように咲き誇る。
緑一面の田んぼの一画。ピンクの花の色に癒される。

 雨が続く日の晴れ間に出会った小さな生き物たち。長く伸びたクズの葉の上にいるのはオオカマキリ。
背面のW字型ラインは、きっとエゾゼミ。なかなか逃げない。黒っぽい大きなクロアゲハが飛んできた。たくましい生命力だ。

 クズやヤマブドウのつる性植物が山の谷間や急斜面を覆い尽くすように生い茂る。
実を沢山つけたオニグルミ。フジのサヤがぶら下がっている。
枝葉を大きく広げたリョウブの白い穂状の花が溢れるように咲いている。

ミカドフキバッタ

 ミカドフキバッタだろうか。成虫でも羽が短く、飛んで移動する事ができない。一回り小さいのがオス。標高の低い山地のフキやクズなどの生えている場所で多くみられるという。フキバッタの仲間は、それぞれが各場所に住み分けている。

ユリ科

 筒状の花を数多くつけて、オオウバユリの花が咲いている。芽生えてから6~8年ほどかけて葉を増やし、茎を伸ばして開花し、枯れていく。名前の由来の大きな葉は、花を育てるのが役目で、花が咲くころには葉(歯)が無くなる事が多いことから「姥」に例えられた。
一回繁殖型多年草と呼ばれている。1回の開花で子孫を残すため、鱗茎(ゆり根)に新しい根をつけ、秋に風散布に適した多くの種子をつくる。鱗茎や若葉は食用に利用されてきた。

 日本原産のヤマユリは、昔から見慣れているはずなのに、山の中で出会うとハッとするほど美しい。最初の花をつけるまで5年。
それから1年に1つずつ花を増やしていく。古い株ほど沢山花をつける。大きな花の黄色い筋と突起がある沢山の赤い斑点、粘りのある赤い花粉、甘い香りなど、大きな花なればの虫をひきつける工夫がある。

 人里周辺では、ヤブカンゾウのオレンジ色が鮮やかだ。花びらの先に花粉が出ている葯が見える。
雄しべが花びらに変化して八重咲きになっているという。

備えあれば憂いなし

 米沢藩九代藩主上杉治憲(鷹山)の時代、飢饉に備えた糧になる植物の本「飯粮集(はんろうしゅう)」が作られ、その後備荒植物の手引書「かてもの」を広く領内に配布した。はす・さるなめし(りょうぶ)・ゆり・くず・ふじなどの植物も食する方法が収録されている。
塩漬けや天日干しなどの保存食も作られてきた。「かてもの」の知識は食糧難の時に大いに役立ち、多くの命を救ってきたという。
先人の知恵と工夫は豊かな山菜文化に引き継がれている。動植物問わずみんな命がある。感謝の気持ちで「いただきます。」

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