2021年3月

マンサクの花

 まだ色もない山の中、マンサクの花が咲いている。早春に活動できる昆虫の目につきやすい色だといわれる。葉が出る前に開花する「まんず咲く」植物。花の咲き方で穀物の作況を占う「豊年満作」に由来する名前とも。春を呼び豊かな恵みをもたらす喜ばしい名前だ。樹皮も強くて枝もよくたわむことから、木などをしばる縄として利用されてきたそうだ。昔から樹木を材料として、茅葺屋根の骨組みから、かんじきまで、用途に応じたさまざまな縄が作られてきた。昔からの玩具の吹きもどしを思わせる細長い黄色の花びらが鮮やか。マンサクの花言葉の一つに「幸福の再来」がある。

彼岸花

 暑さ寒さも彼岸までと言われる。春分は春彼岸の中日。周辺にはまだ雪がある。
昔、お墓にねこやなぎが供えられていたのを思い出す。寒冷の土地であるため生花はなく、春先の川辺にたくさんあったねこやなぎだったのだろうか。色あざやかに染められた彼岸花が目に入る。店頭には、丹精込めて作られた彼岸花や、ねこやなぎが並んでいる。

早春

 気温が上昇し、雪は上から下から溶けだして雪解けが進む。雪の残る飯豊山、西吾妻山には雪形、月山は白く、雪が陽を照り返してまぶしいほど。白鳥は次々と北の空へ飛び立っていく。

福寿草

 東日本大震災から十年がたっても余震と考えられる地震が度々発生している。その度、あの日が蘇ってくる。忘れられない春の日。

 生きた証しの古里は、避難指示が続き、また復興事業によって大きく変わった。それぞれが違う事情を抱えて十年。そしてこれからも現実に立ち向かっていかねばならない。コロナ禍が終息しないまま、大会開催の意義を問われる中、「復興五輪」を掲げる大会の聖火リレーが福島県浜通りからスタートした。会場や沿道に東北の土で栽培された花が飾られた。
地元の心寄り添う応援を受けて笑顔で手を振る「希望の火」はそれぞれの古里の想いをつないでいく。庭の福寿草が咲いた。黄色の花びらが光を集めて、花の中はきっと暖かい。

深山和紙

 白鷹町深山地区に、およそ400年前から伝わる深山和紙がある。昔は地区の多くの家で紙漉きが行われ、障子紙などが作られてきたという。楮本来の生成り色が長く使用するにつれ、徐々に白色になっていくそうだ。縦横に振る「十字漉き」といわれる漉き方で強い和紙になるという。

しらたか人形

 しらたか人形は、丈夫な紙質の深山和紙で作られる。風合いを出す為に、水に浸けて揉み込んで、しぼ(シワ模様)を出す。
一つ一つ手作業で作られる人形は、優しく素朴で温かい。

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