VICの窓から

2024年3月

災害伝承

 青森県階上町うみなりライン沿いの小高い丘の上に建つ三陸大津波記念碑。灯台を思わせるような形で、水色の波頭が印象的な記念碑は昭和8年(1933)の三陸地震津波(波高24m)の被災状況を伝えている。「地震海鳴りほら津波」の短い標語と被災記録。さらに「この災害を忘れることなく警戒と予防に努めること」などと刻まれていて、東京朝日新聞社義援金によって建立されたことがわかる。充てられた記念碑建設費は被災地 岩手県・宮城県・青森県・北海道に分配され、それぞれの地域に適した震災標語・形状・最適な建立場所が選ばれた。簡潔で覚えやすい標語で、再び犠牲者が出ないように、災害から命を守ることを願って建てられた碑には、犠牲となった人々への供養の思いも込められているのだろう。平成19年8月改修とある。長い年月で石碑を取り巻く状況が変わっても、将来 石碑立地の持つ意味が有効に伝えられるよう保存に努めている。後世へ伝承する手段として碑文に刻まれた過去の災害と教訓は防災意識の向上につながっている。

 宮古市田老地区は「津波太郎」とも言われるほど過去の津波で大きな被害を受けてきた。先人達は、巨大防潮堤を築き、防潮林や避難路の整備などに取り組み、避難訓練など津波対策を考慮した町づくりを行ってきたという。東日本大震災で、17mともいわれる津波の被害を受けた たろう観光ホテルは、全国で初めて国費による保存が決まった震災遺構。良好な保存状態を維持する費用を宮古市が負担していて、津波被害の伝承の為、さまざまな取り組みを行っている。

 高台移転が行われ、新しい防潮堤が築かれている。防潮堤は津波を完全に防ぐものではなく避難する時間を稼ぐものとの考えをつないで津波に備えていく。

 3月11日午前6時防災行政無線でサイレンを鳴らし、緊急地震速報メールを配信して、津波避難訓練・災害対応訓練が実施された。防災に向けた取り組みが続けられている。

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