VICの窓から

2022年8月

横川ダム

 横川ダムは、昭和42年(1967)荒川流域に甚大な被害をもたらした羽越水害を契機に平成20年(2008)山形県小国町に完成した。洪水調節や小国町への工業用水の供給など水資源の安定した流水量を保ち、河川環境の保全及び水力発電を目的とした特定多目的ダム。
ダム建設に伴って、水源地域活性化が図られ、周辺の道路など環境整備も行われた。

 水源地周辺は、豪雪山間地。山に雪が残る春には霧が発生し水没林の風景が広がる。

 貯水位の低い夏には、かつての市野々・下叶水の集落を通る街道や横川の流れが現れる。
市野々集落には、桜峠から黒沢峠を通る越後街道が南北に走り、伊佐領から横川沿いに仙野街道が東西に走っていた。

 下叶水集落には中津川(飯豊町)を経由して米沢と小国を結ぶ中津川街道があった。山峡の土地は河岸段丘という地形で、古来 横川に沿って、小集落が形成されてきたそうだ。低い場所を流れる横川から用水の確保に苦労した歴史があり、「叶水」の地名からも人々の水利への強い思いがうかがえる。人々は昔から村のしきたりを守り、お互い助けあいながら共同作業を行い、家を集落を維持して暮らしてきた。地域活性化の拠点水源の郷交流館では、山菜料理を味わう事ができる。

荒川

 朝日山系に源を発する荒川は、飯豊山系から流れる横川、玉川などの支流を合わせて、山形・新潟県境では赤芝峡など渓谷をつくる。急峻な地形をトンネルが貫き、国道113号とJR米坂線は蛇行する荒川を橋梁で渡る。荒川が織りなす景勝地となっている。

 中流部の関川村の田園地帯を流れ、越後平野の北側を横断するように日本海にそそぐ73kmの河川。荒川水系の水利用は多岐にわたる。
荒川頭首工は、荒川をせき止めて用水路へ水を引き入れる施設。3400ヘクタールの広さの田畑の灌漑用水などとして使われているそうだ。
ダムのような働きで、洪水を防いだり、魚道も設置されている。

不明な梅雨明け

 今年は最短の梅雨となり6月29日東北南部梅雨明けの発表から、梅雨明けの時期が特定できないと見直された。
気候変動の影響か、記録的な豪雨となったりした。

 餌を狙っているのか、自分の身を守っているのか、生き延びるための姿があった。

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